1年ぐらい前からAI開発において、神経科学的アプローチの採用を意識していることは以前にも書いた。
しかし、アプローチという表現よりも具体的なのは「計算論的神経科学」というキーワードだろう。
現在、「人工知能(AI)と計算論的神経科学(川人光男氏)」という文献を参考にしているのだが、この中でとても良い表現を見つけた。
「脳を創ることによって脳を知る」だ。
その他にも、ここ数年、一人で考えていたこと、感じていたことを見事に言い当ててもらえている部分がある。
機械学習を使って精神疾患の研究が進んでいること。そして、
「今後は、計算論のトップダウンとデータ主導のボトムアップアプローチをどのように統合するかが、革新的研究の分水嶺になると考える」
と、書かれていることだ。
オレが目指しているのは、まさにこれだ。
しかし、この文献もまた、かなりのリテラシーが求められる。
以前書いたような依存は感じない。
こういう文章こそ、リテラシーが高い部分を必要最低限に絞り込んでいるけれども、限界があるといった雰囲気をとても感じる。
…ということは、こちらも一生懸命、足りない知識を情報収集によって補いながら読み込んでいく姿勢は必要だろう。
しかし。
時間が足りない。
知識をつけてこの文献を読込む時間と、この文献が表現しているようなAIを実現しようとする努力。
口惜しいが、今は開発を優先すべきであり、A4数枚のこの文章ですら、数ヵ月かけて理解していくしかない。
それが今のオレの限界だ。