争いでは、攻撃手段がとても重要になってくる。
例え、高い攻撃力を持つ武器を持っていたとしても、自分から使い始めれば、相手が同様の武器を使っても仕方ないことになり、第三者から非難されることになる。
例えば、口論から始まった争いにおいて、先に手を出してしまえば後から自分が裁かれることになる。
殴り合いから始まった争いにおいて、先に武器を使い始めても同様だ。
武器の種類にも、殴るための武器、刃物、飛び道具といった感じで段階がある。
1対1から始まった戦いで、加勢があった場合も同様だ。
どこまでやるかという段階にも、多少のケガ、骨折、致死がある。
傍観していた者が片方にだけ武器を投げ込み続けるという加勢の仕方は、どういう段階なのか。
ある日、銃を持っている大柄の強盗が、銃を持っていない男の家に押しかけ、庭先で武器を使った殴り合いの喧嘩を始めた。
庭の外では、ギャラリーが「庭から出ていけ」と叫びながら、家主に武器を投げ込み始めた。
このギャラリーたちには銃があり、もしも強盗が銃を抜いたら銃で助太刀する気だ。
しかし、強盗は銃以外に大した武器を持っていなかった。
気が付くと、家主は兜や鎧をまとい、使っている武器も強力になってきた。
強盗は負け始めた。
降参すれば助かるかもしれない。
しかし、手元には銃がある。
銃を抜こうとする振りをすれば、相手はひるむかもしれない。
だからと言って形勢は不利なままだ。
強盗は家の裏のガスボンベに目をつける。
ガスボンベのホースを握り、「これを引き抜けば、みんな助からないぞ!」と脅してみる。
しかし、怒り狂った家主は攻撃をやめようとしない。
家が残って奪われるのも、家が爆破されて失うのも結果は一緒だからだ。
ホースを握ったまま、強盗の意識は薄れ始めた。
ギャラリーは、「やりすぎるなよ。相手には銃があることを忘れるな」と、家主を諭す。
しかし、家主は「やめるのはコイツが庭から出て行ったときだ!」と主張する。当然だ。
強盗は銃を抜くか、庭から立ち去るしかない。
ところが、強盗に帰る場所はない。
「失敗すれば死あるのみ」とボスに言い渡されていたのだ。
「失敗すれば死あるのみ」とボスに言い渡されていたのだ。
誰の目から見ても、強盗が決死の覚悟で銃を抜くのは時間の問題だと見られている。
2022年10月8日21時半