億単位で稼ぐ人の宿命②

 一方で、こうも思う。  売上などの数字は、その人の総合力や信用の評価基準にはなりえない、と。  総合力が乏しくても、ある部分に特化すれば億は稼げるし、そこに信用しきれる人物かどうかも関係ない。  短時間で億を稼ぐとなると、投資が浮かびやすいが、投資以外の分野でも稼げる人は稼げる。 「将来どんなことになるか」なんて考えずに、今という瞬間に自分が持っている全てを集中させれば、それは可能ということだ。  残念ながらオレにはない能力であり、そういうスタイルでもない。  オレは失うのが怖くなるような才能などなかったし、その分、何度でも自分の価値観や世界観を壊し続けてきた。  けれども、気まぐれで過去の領域を出たり入ったりもしてきた。  その繰り返しが、人からは継続的というふうに見られてしまっただけだ。  何より、オレには欠落した能力がない。  総合力や信頼性で彼らに負けることはないと思うが、だからと言って短時間で億単位を稼ぐ人間にもなれない。  それだけに、実績や金額で人の能力を推し量ろうとする世間の風潮に、とてつもない無駄も感じてしまう。

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億単位で稼ぐ人の宿命①

 仕事や経営に必要ないくつかの能力が欠落していても、億単位で実際に稼いできた人との出会いが増えてきた。  彼らは生まれながらにして、専門性を磨くしかなかったのかもしれない。  その苦しみは、オレがいくら想像したところで想像の域を超えることはできない。  しかし、独特のスタイルを確立し、成果を挙げた後に彼らが関心を持ち始めるのは「未知なる領域への挑戦」だ。  そうなったとき、彼らが新しい領域で成果を挙げるために求められるのが、過去に自らが定義してきた概念に対する「再定義」だ。  彼らは「経営とはこんなもんだ」「商売とはこんなもんだ」「仕事とはこんなもんだ」というふうに、一つひとつの概念に自分なりの定義、言ってしまえば「決めつけ」をしながらステップアップしてきた。  これらを突き崩していかなければならない。  そして、それは、自らが特化し続けてきた能力を崩壊させてしまう危険性も十分ある行為だ。  これまでの並外れた苦労や努力も、下手すれば無意味なものに感じられてしまうかもしれない。  オレは思う。  どうしてもその分野で失敗が許されないなら、その分野で信頼できる専門家を見つけるだけで良い、と。  しかし、その分野でも活躍できる自分を見つけたいなら、自分の世界観、価値観、専門能力を崩壊させる覚悟を決める必要がある、と。

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ビジネスに経験は必要か

 長らく答えが出せなかったこの問いに、そろそろ答えを出そうと思う。  若手の起業家たちと出会うたびに、直面してきた問題でもある。  正解は、「彼らの方針次第」ということになるだろう。  先輩起業家の話を聞いたとき、その経験談やアドバイスに従って行動するのであれば、恐らく経験はいらない。  しかし、どんなに話を聞いても、結局、自分で試してみないと納得しないというのであれば、彼らに必要なのは経験談やアドバイスではなく「経験」だ。  問題は、若手起業家自身が、その辺の分別の必要性に気づいていないことにある。  そして、その分別ができているかどうかを確認せずに、時間を割いてしまったオレ自身にも問題はある。  結局のところ、多忙なスケジュールの中から彼らと話す時間を作ること自体が、リスクであり、投資だ。  よっぽど見所がない限り、このような時間を作るつもりはないが、投資の成功率を高めるためにも最初にこの分別を確認するしかない。  それが、自分の時間を最初からカネで回収しようとは思わないオレのスタイルとなるだろう。  まぁ、最初からお金をもらって起業家向けのセミナーをやる方が、よっぽど良いかもしれないが(笑)

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