プロデュースとマネジメントの境界

 ここ1年、数人の人材を育成してきた。  スカウトから始まり、マネジメント、研修、トレーニング、プロデュースを行っていく。  契約金やレッスン料などは一切もらっていない。  カフェや飲みなども全て、こちらが負担している。  例外は、相手が遅れてきたときに、こちらが先に店で待っていて、その店が前払いの場合ぐらいだろう。  しかし、最近、ある人材の研修、マネジメント、トレーニングを打ち切った。  その一方で、プロデュースは前向きに継続していくことにした。  先行投資のコスパを考えてのことだった。  そして、その瞬間、マネジメントとプロデュースの役割が明確になった。  マネジメントは、何が何でもその人材を成功に導くこと。  一方で、プロデュースは、その人材にも有効なチャンスや環境を創り出していくこと。  それゆえ、「マネジメントは対象が一人であるのに対し、プロデュースはあくまで対象が複数」となった。  自社定義だ。  リソースが限られていようが、潤沢だろうが、 「有望な人材にリソースを集中させ、そうではない人材に無駄なリソースは割かない。」 という点において、やることは変わらない。  ようやくこの分野で一歩前進できた気がした。 2022年7月19日23時すぎ

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単一市場

「そっか。とんでもない世界に来てしまったんだな。」  先日の商談で、あらためてそのことを実感した。  とんでもない人と出会ってしまったからかもしれない。  久々に「次元が違う」と思い知らされた。  今まで何回も東京や横浜に来たし、様々な関係者と出会ってきたが、今回ほど突き抜けていたのは初めてだった。  謙虚さの重要性は知っているが、こういう出会いでもない限り、真摯な謙虚さを手に入れることはできない。  愛媛に戻るとき、その謙虚さを愛媛の若者にも持ってもらわなければと思った。  中途半端に都会の影響を受けて愛媛に戻り、優越感に浸る人間は少なくないが、そんなことでは成長力は得られない。  世界はインターネットでつながり始め、翻訳機能の進化により、言語の壁すら取り除かれ始めている。  チャンスや市場が拡がるといった部分だけに目が行きがちだが、ライバルたちも同じ分だけ増え、むしろ市場は単一に近づきつつある。  この製品、この市場では勝てないから、他の製品、他の市場で勝負しようとはならなくなってきているのだ。  安易に「二ッチを探せばいい」と開き直る人間も少なくないが、そんなことでは世界規模で同じ考えを持つ人間たちと張り合わなければならなくなってしまう。  結局は、自分が決めた場所で、「世界のどこにも自分ほど地道な努力を続けてきた人間はいない」と言い切れなければ、安心感は得られなくなりつつあるのだろう。 2022年6月9日 午前8時前

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夢のような話との付き合い方

 一昨年あたりから、夢のような話が飛び込んでくるようになった。  一般人の感覚から言えば夢のようだが、ビジネスとして捉えるならそれは当たり前のことなのだろう。  しかし、その夢が消えたときの落差も激しい。  オレはそういう話との付き合い方を考える必要があった。  今年に入ってから随分と冷静な自分がいる。  夢のような話の大前提として、これまでやってきたオレの取り組みに対する非常に高い評価がある。  しかし、いざ、その話が始まると、先方の都合で二転三転することが多かった。  取引先は会社組織だ。  組織というものは、一部がオレの件で盛り上がっても、他がついてこなければ話がまとまることはないのだ。  思えば、ここ5年間はそういった振り回され方をしてきた。  しかし、最近になって、本当に喜ぶべきところはどこなのかに気づくことができた。  どこかの誰かが、オレを心の底から高く評価してくれたこと。  喜ぶべきところはそこだったのだ。  商談の結果に振り回されることなく、そのとても光栄な状況に感謝していけば良かった。  それに、「そういう評価を受けた」という客観的事実は、オレを取り巻く利害関係者にも報告でき、彼らにささやかな安心感を与えることもできる。  そして、地道に歩み続けるのだ。 2022年6月6日 22時すぎ

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